毎月のガス代の請求を見て「お風呂のガス代ってこんなに高いの?」と感じたことはありませんか。特に冬場は、ガス代が夏場の1.5倍以上になることも珍しくありません。
「お風呂1回でどれくらいのガス代がかかっているのか」「シャワーとお風呂、どちらが経済的なのか」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
お風呂のガス代は都市ガスで1回80〜130円、プロパンガスなら150〜250円が目安です。家族構成や入浴方法を見直すことで、年間数万円の節約も可能になります。
この記事では、お風呂のガス代の具体的な金額、シャワーとの比較、今日から実践できる節約術まで詳しく解説します。
目次
お風呂1回のガス代はいくら?

お風呂のガス代を節約するには、まず1回あたりのガス代がどれくらいかかっているのかを知ることが重要です。
ここでは、都市ガスとプロパンガスそれぞれの目安と、季節による変動について解説します。
※ガス料金は地域や契約内容によって異なります。あくまで目安としてご参考ください。
都市ガス:1回約80〜130円
都市ガスで200Lの浴槽にお湯を張った場合、1回あたりのガス代は約80〜130円が目安となります。
これは水温15℃から42℃まで温めることを想定した計算です。一般的な家庭用給湯器の場合、約2.5〜3㎥のガスを消費します。都市ガスは公共料金のため価格が比較的安定しており、全国平均で見ても大きな差はありません。
ただし、使用量に応じた段階料金制を採用している地域が多いため、使用量が多いほど単価が高くなる傾向があります。
都市ガス:1回約80〜130円
都市ガスで200Lの浴槽にお湯を張った場合、1回あたりのガス代は約80〜130円が目安となります。
これは水温15℃から42℃まで温めることを想定した計算です。一般的な家庭用給湯器の場合、約2.5〜3㎥のガスを消費します。都市ガスは公共料金のため価格が比較的安定しており、全国平均で見ても大きな差はありません。
都市ガスは、地下のガス管を通して供給されるため、燃料の単価が比較的安定しており、プロパンガスに比べて安い傾向にあります。
プロパンガス:1回約150〜250円
プロパンガス(LPガス)の場合、同じ条件でお風呂を沸かすと1回あたり約150〜250円のガス代がかかります。都市ガスと比較すると1.5〜2倍程度高くなります。
プロパンガスは都市ガスより熱量が高いため使用量は少なくなりますが、単価が高いため結果的にガス代は高額になります。また、プロパンガスは自由料金制のため、ガス会社によって料金に大きな差があります。
冬場は水温が低く夏場より20〜30%高くなる
お風呂のガス代は季節によって大きく変動します。冬場は水道水の温度が夏場より10〜15℃低いため、お湯を沸かすのに20〜30%多くのガスが必要になります。
夏場の水温が約20〜25℃なのに対し、冬場は約5〜10℃まで下がります。42℃のお風呂を沸かす場合、夏場は約17〜22℃上げればよいのに対し、冬場は32〜37℃も上げなければなりません。
そのため、同じ入浴習慣でも冬場のガス代が夏場の1.5倍になることもあります。
お風呂とシャワーはどっちが安い?

お風呂に入るかシャワーで済ませるか、ガス代の観点からどちらが経済的なのでしょうか。ここでは、使用時間や家族構成による違いを解説します。
シャワー15〜18分以内ならシャワーの方が安い
一般的なシャワーヘッドの流量は1分あたり約10〜12Lです。お風呂の浴槽が200Lとすると、シャワーを15〜18分以上使うとお風呂を沸かすのと同じ水量になります。
一般的なシャワーの湯量は1分間で約10リットルで、シャワーを約18分使うと浴槽1杯分(200L)の水量になります。シャワーを15分使った場合のガス代は約75〜100円、水道代を含めると約120円程度です。
一方、お風呂を沸かすガス代は約80〜130円かかるため、短時間で済ませるならシャワーの方が経済的です。
家族2人以上ならお風呂の方が経済的
家族2人以上で入浴する場合は、お風呂を沸かした方が圧倒的に経済的です。
3人家族の場合の費用比較(1回あたり)は、以下のとおりです。
| 入浴方法 | ガス代 | 水道代 | 合計 |
|---|---|---|---|
| シャワーのみ (15分×3人) | 約225〜300円 | 約50〜130円 | 約350〜430円 |
| お風呂 (お湯張りのみ) | 約80〜130円 | 約48円 | 約130〜180円 |
3人家族の場合、お風呂を沸かして入れば約2〜3倍も節約できます。
1人暮らしは基本的にシャワーがおすすめ
1人暮らしの場合、基本的にはシャワーで済ませた方がガス代・水道代ともに安くなります。
お風呂を沸かすと約80〜130円かかるのに対し、10分程度のシャワーなら約50〜80円で済みます。
世帯別のお風呂ガス代の目安

お風呂のガス代は、世帯人数や入浴スタイルによって大きく異なります。ここでは、世帯別のガス代目安を表でまとめました。
| 世帯人数 | 主な入浴スタイル | 月額ガス代目安 (都市ガス) | 月額ガス代目安 (プロパンガス) |
|---|---|---|---|
| 1人暮らし | シャワー中心 (10分程度) | 1,200〜1,800円 | 1,800〜2,700円 |
| 1人暮らし | お風呂中心 (毎日湯張り) | 2,400〜3,200円 | 5,000〜6,500円 |
| 2人家族 | お風呂中心 (毎日湯張り) | 2,600〜3,500円 | 5,500〜7,500円 |
| 3〜4人家族 | お風呂中心 (毎日湯張り+追い焚き1回) | 3,000〜5,200円 | 7,000〜10,000円 |
| 5人以上 | お風呂中心 (毎日湯張り+追い焚き) | 3,600〜6,500円 | 8,000〜13,000円 |
※ 上記の数値は基本料金を含まないお風呂のみのガス代目安です。実際のガス代は、給湯器の性能、入浴時間、追い焚き回数、季節(冬場は水温が低いため高くなる)などによって大きく異なります。
結論:家族人数が多いほど、お風呂を沸かして共有する方が経済的です。
一人暮らしの場合、毎日お風呂に入るよりシャワーの方が経済的ですが、2人以上の家族では、お風呂を沸かして共有する方がシャワーを個別に使うよりお得です。
ただし湯張りをした場合でも、シャンプーを流したり体を洗ったりする際には数分間シャワーを使うため、必ずしも湯張りのほうが安くなるとは限りません。
お風呂のガス代が高くなる原因

お風呂のガス代が予想以上に高くなってしまう原因はいくつかあります。ここでは、特に影響の大きい3つの原因について解説します。
追い焚きの回数を減らす
お風呂の追い焚きのガス代は、温度をどれだけ上げるかによって大きく変わります。数℃の温度上昇なら1回約7〜20円程度ですが、完全に冷めた状態(約20℃上昇)から追い焚きすると1回約65〜73円かかります。
東京ガスの調査によると、40℃のお湯を2時間放置してから追い焚きした場合のガス代は約6.8円、6時間放置した場合は約20.6円です。家族が時間を空けずに続けて入浴すれば、追い焚きコストを大幅に抑えられます。
| 温度低下の状況 | 追い焚きのガス代(1回) |
|---|---|
| 2時間後(数℃低下) | 約7〜20円 |
| 6時間後(大きく低下) | 約20〜30円 |
| 完全に冷めた状態 | 約65〜73円 |
家族の入浴時間がバラバラで保温できていない
家族の入浴時間がバラバラだと、浴槽のお湯が冷めてしまい、追い焚きが必要になります。
浴槽のお湯は、フタを閉めていても1時間で約2℃、2時間で約4℃下がります。フタを開けっ放しにすると、1時間で約3℃、2時間で約6℃も温度が下がります[1]。最初に入った人と最後に入る人の時間が空くほど、追い焚きの回数が増え、ガス代がかさみます。
シャワーを出しっぱなしにする時間が長い
シャワーを出しっぱなしにする時間が長いと、知らず知らずのうちにガス代と水道代が高額になります。
1分間シャワーを出しっぱなしにすると、約12Lの水と、都市ガスの場合でガス代約3.7〜5円を消費します。体を洗っている間や髪にトリートメントをつけている間など、5分間出しっぱなしにするだけで約20〜25円の無駄遣いになります。
今すぐできるお風呂のガス代節約方法

お風呂のガス代を節約するために、今日から実践できる具体的な方法を紹介します。どれも特別な道具や費用は不要で、習慣を変えるだけで効果が期待できます。
浴槽のフタをこまめに閉めて保温する
浴槽のフタをこまめに閉めることで、お湯の温度低下を防ぎ、追い焚きの回数を減らせます。
フタを開けっ放しにすると、1時間で約3℃、2時間で約6℃も温度が下がりますが、フタをきちんと閉めておけば1時間で約2℃、2時間で約4℃に抑えられます。入浴していないときは必ずフタを閉める習慣をつけましょう。
家族で続けて入浴し追い焚きを減らす
家族で入浴時間を揃え、続けて入ることで追い焚きの回数を大幅に減らせます。
約2時間で4.5℃低下したお湯を追い焚きする場合、年間で約6,190円のガス代が発生します。家族で間を空けずに入浴することで、このコストを削減できます。
シャワーは使う時だけ出してこまめに止める
シャワーをこまめに止める習慣をつけるだけで、年間約8,600円の節約が可能です[3]。
体を洗っている間、髪にシャンプーをつけている間など、使わないときは必ず止めましょう。1分間で約12Lの水と約3.7〜5円のガス代を消費するため、こまめに止める習慣が大きな節約につながります。
設定温度を1〜2℃下げる
給湯器の設定温度を1〜2℃下げるだけで、ガス代の節約が期待できます。
設定温度を1℃下げると、ガス使用量が約1.5%削減され、年間で約750円の節約になります[4]。一般的に推奨される入浴温度は、リラックス効果が得られる38〜40℃です[5]。特に冬場は設定温度が高くなりがちですが、無理のない範囲で温度を下げてみましょう。
長期的に効果が高いガス代削減方法

初期費用はかかりますが、長期的に見ると大きな節約効果が期待できる方法もあります。ガス代の根本的な削減を目指したい方は、以下の方法を検討してみましょう。
節水シャワーヘッドに交換する
シャワーのガス代を抑えるには、節水シャワーヘッドへの交換がおすすめです。初期投資は3,000〜10,000円程度ですが、半年から1年程度で元が取れます。
節水シャワーヘッドは、水の勢いを保ちつつ、吐水量を少なくする工夫がされているため、最大で50%程度の節水効果が見込めます。
水の量が減れば、当然ながらそれを温めるためのガスの使用量も減るため、ガス代の節約につながります。シャワーの使用頻度が高いご家庭ほど、導入効果は大きくなります。
省エネ給湯器に買い替える
給湯器が古かったり、非効率なタイプだったりする場合は、高効率な省エネ給湯器への買い替えを検討しましょう。
特にエコジョーズやエコキュートなどの高効率給湯器は、従来型と比較してガス使用量を約15〜30%削減できます。初期費用は15万〜50万円程度かかりますが、5〜10年で回収できる計算です。
ガス会社を乗り換えて基本料金から見直す
ガス会社の乗り換えによって、基本料金と従量料金の両方を見直すことで、年間数万円の削減が期待できます。
特にプロパンガスをご使用の場合は、ガス会社によって料金に大きな差があります。同じ地域でも、会社によって基本料金で月額500〜1,000円、従量料金で1㎥あたり50〜150円の差が出ることもあります。
- 複数のガス会社で見積もりを取る
- 料金比較サイトを活用する
- 契約前に解約金の有無を確認する
電力会社と同じように、ガス会社も自由に選べる時代です。ご家庭のライフスタイルに合わせた料金プランを選ぶことで、節約を頑張らずにガス代を抑えられます。
まとめ

お風呂のガス代について、1回あたりの金額から世帯別の目安、今日から実践できる節約方法まで詳しく解説してきました。
都市ガスで1回80〜130円、プロパンガスで150〜250円が目安であり、シャワー17分以内ならシャワーの方が安く、家族2人以上ならお風呂の方が経済的です。追い焚きを減らし、シャワーをこまめに止めるなどの習慣を見直すことが重要です。
- 都市ガス1回80〜130円、プロパンガス150〜250円が目安
- シャワー17分以内ならシャワー、家族2人以上ならお風呂が経済的
- 追い焚き1回で約40〜65円かかるため、家族で続けて入浴する
- 設定温度1〜2℃下げるだけで年間約2,000円の節約効果
- 節水シャワーヘッドや省エネ給湯器で長期的な削減効果
ご自身の生活パターンに合わせて、無理なく続けられる節約方法を取り入れることで、快適さを保ちながらガス代を効果的に削減できます。