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エアコンの電気代を抑えたいとき、「自動運転」と「冷房」はどちらを選べばよいのか迷うことがあります。

結論からいうと、夏に部屋を冷やしたいときは、「冷房モード+風量自動」を基本にするのが効果的です。ただし、リモコンの「自動運転」と、冷房中の「風量自動」は意味が異なります。

ダイキン工業の実験では、冷房時に風量を「自動」にした場合、風量を「弱」に固定した場合よりも消費電力量が約3割少ない結果が出ています。つまり、節電のポイントは「冷房をやめて自動運転にする」ことではなく、冷房中の風量を弱に固定せず、自動に任せることです。

エアコンの自動運転・冷房・風量自動の違いを示した図

この記事では、エアコンの自動運転と冷房の違い、風量自動と弱運転の電気代、使い分けの考え方、電気代を抑えるコツを解説します。

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スミカノモリ編集部

この記事の執筆・編集者

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【結論】エアコンは自動運転と冷房のどっちが電気代安い?

夏に部屋を冷やす目的なら、基本は「冷房モード+風量自動」です。

「自動運転」は、室内外の温度に応じてエアコンが運転モードや設定温度を自動で決める機能です。一方、「冷房」は室温を下げるための運転モードです。さらに「風量自動」は、冷房中の風の強さをエアコンが自動調整する設定を指します。

この3つを混同すると、「自動運転のほうが冷房より必ず安い」と誤解しやすくなります。電気代を考えるうえで特に重要なのは、冷房運転中に風量を自動にするか、弱に固定するかです。

夏は「冷房モード+風量自動」が基本

外気温が高く、室温を下げたいときは、冷房モードを使います。そのうえで、風量は「自動」に設定するのが効率的です。

風量を弱く固定すると一見節電になりそうですが、部屋が冷えるまでに時間がかかります。その結果、室外機の圧縮機に負荷がかかり、かえって消費電力が増えることがあります。

風量自動なら、起動直後は強めの風で室温を下げ、設定温度に近づいたら風量を弱めて運転します。必要なときにしっかり冷やし、安定後は出力を抑えられるため、電気代を抑えやすくなります。

ダイキン実験では風量自動が風量弱より約3割少ない

冷房時の風量自動と風量弱の消費電力量と電気代を比較した図

ダイキン工業が公表している実験では、冷房時の風量「自動」と「弱」の消費電力量を比較しています。

風量設定消費電力量31円/kWhで計算した電気代
風量:自動2.79kWh約86.5円
風量:弱3.85kWh約119.4円
1.06kWh約32.9円
出典:ダイキン工業「エアコンの効果的な節電術で削減できる電気代を4つのケースで調査」

この実験では、風量自動のほうが風量弱よりも消費電力量が約3割少ない結果でした。1日あたりの差は約32.9円で、同じ条件で30日使うと約987円の差になります。

この数値は、特定の実験条件での結果です。実際の電気代は、外気温、部屋の広さ、断熱性、設定温度、機種、使用時間、契約している電気料金単価によって変わります。

「運転モード自動」と「風量自動」は別物

リモコンの「自動運転」は、エアコンが室内外の温度に応じて冷房・暖房・除湿などの運転モードを判断する機能です。機種によっては「AI快適自動」「快適自動」「おまかせ」などの名称で表示されることもあります。

一方、「風量自動」は、冷房や暖房などの運転中に、風の強さをエアコンが自動調整する設定です。ダイキンの節電実験で比較されているのは、この「風量自動」と「風量弱」です。

そのため、この記事では「自動運転」と「風量自動」を分けて解説します。夏の冷房で電気代を抑えたい場合は、まず冷房モードにして、風量を自動にする使い方を基本にしてください。

参考:ダイキンFAQ「自動運転の機能、操作方法について」

エアコンの自動運転とは?冷房との違い

エアコンの「自動運転」と「冷房」は、同じ意味ではありません。自動運転はエアコンに運転内容を任せる機能で、冷房は室温を下げるための運転モードです。

ここを理解しておくと、電気代を抑えたいときにどの設定を選べばよいか判断しやすくなります。

自動運転は温度に応じて運転モードを自動で選ぶ機能

自動運転は、室内外の温度などをもとに、エアコンが運転モードや設定温度を自動で決める機能です。暑いときは冷房、寒いときは暖房、湿度が高いときは除湿寄りの運転になる機種もあります。

ただし、自動運転の動き方はメーカーや機種によって異なります。設定温度を細かく指定できない機種もあるため、「必ず冷房より安い」とは言い切れません。

夏に「確実に部屋を冷やしたい」場合は、冷房モードを選んだうえで、風量を自動にする方が意図に合いやすいです。

冷房は室温を下げるための運転モード

冷房は、室内の熱を外に逃がして室温を下げる運転モードです。夏の暑い日や、室温を明確に下げたいときに使います。

冷房中の電気代は、設定温度、外気温、部屋の断熱性、風量設定、フィルターの汚れ具合などで変わります。

風量を弱くすれば電気代が下がるとは限りません。冷えるまでの時間が長くなると、室外機の圧縮機に負荷がかかり、消費電力が増えることがあります。

風量自動は冷房中の風量をエアコンが調整する設定

風量自動は、冷房や暖房の運転中に、風の強さをエアコンが自動で調整する設定です。

起動直後は強めの風で部屋を早く冷やし、設定温度に近づいたら弱めの風に切り替えます。人が手動で風量を変えなくても、エアコンが状況に合わせて調整してくれる点が特徴です。

節電目的で「弱」に固定するより、風量自動に任せた方が、結果的に電気代を抑えやすくなります。

冷房時は風量「自動」と「弱」どっちが安い?

冷房時の電気代を考えるなら、風量は「弱」よりも「自動」を基本にしましょう。

弱運転は風が弱いため、電気代が安く見えます。しかし、部屋が冷えるまでに時間がかかり、圧縮機の負荷が長く続くことがあります。風量自動は、必要なときに強く冷やして、室温が下がったら出力を抑えるため、トータルの消費電力を抑えやすくなります。

風量弱は冷えるまで時間がかかりやすい

冷房の風量を弱に固定すると、吹き出す風が少なくなります。そのため、室内の空気が冷えるまでに時間がかかります。

室温が設定温度に近づくまでの時間が長いと、室外機の圧縮機が長く働くことになります。エアコンの消費電力の多くは圧縮機で使われるため、弱運転が必ず節電になるわけではありません。

風量自動は最初に強く冷やして、その後弱める

風量自動では、起動直後に強めの風で室温を下げ、設定温度に近づいたら風量を弱めて運転します。

最初だけ見ると消費電力が大きく感じますが、短時間で室温を下げられるため、圧縮機に負荷がかかる時間を短くしやすくなります。これが、風量弱よりも消費電力量が少なくなる理由です。

電気代を抑えたいなら風量は自動が基本

冷房時に電気代を抑えたいなら、風量は自動にしておくのが基本です。

「弱風の方が節電になりそう」と感じるかもしれませんが、実際には部屋が冷えるまでの時間が長くなり、かえって電気代が高くなる場合があります。

風量の違いによる電気代をさらに詳しく知りたい場合は、エアコンの風量と電気代の違いも参考にしてください。

エアコン自動運転の電気代はいくら?計算方法と目安

エアコンの電気代は、消費電力量と電気料金単価から計算できます。実際の料金は契約している電力会社やプランで変わりますが、この記事では目安として31円/kWhで試算します。

参考資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」金額換算係数

電気代の計算式

エアコンの電気代は、以下の式で計算できます。

消費電力量(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)= 電気代

たとえば、消費電力量が2.79kWh、電気料金単価が31円/kWhの場合、電気代は約86.5円です。

ただし、実際のエアコンは常に同じ消費電力で動いているわけではありません。起動直後は高く、室温が安定すると低くなるため、カタログの消費電力だけで正確な電気代を出すのは難しいです。

ダイキン実験を31円/kWhで計算した場合

ダイキンの実験結果を31円/kWhで計算すると、風量自動と風量弱の差は以下の通りです。

使用日数風量自動風量弱差額
1日約86.5円約119.4円約32.9円
30日約2,595円約3,581円約987円
90日約7,784円約10,742円約2,958円

同じ条件で長く使うほど、風量設定の差が電気代に表れやすくなります。夏場に毎日エアコンを使う家庭では、風量を自動にするだけでも差が出る可能性があります。

部屋の広さ別の電気代はあくまで目安

6畳・8畳・10畳など部屋の広さによって、エアコンの電気代は変わります。広い部屋ほど冷やす空気の量が増えるため、消費電力量も大きくなりやすいです。

ただし、同じ8畳でも、日当たり、断熱性、窓の大きさ、部屋の向き、使用する機種によって電気代は変わります。部屋別の電気代を出す場合は、エアコンの期間消費電力量や実際の使用時間をもとに計算する必要があります。

エアコン以外の家電も含めて電気代が高いと感じる場合は、電気代が高い原因と見直し方法も確認しておくと、節約できるポイントを見つけやすくなります。

自動運転・冷房・除湿はどう使い分ける?

冷房・除湿・自動運転の使い分けを示したチャート

エアコンの運転モードは、室温や湿度に合わせて使い分けることが大切です。暑い日は冷房、湿気が気になる日は除湿、判断に迷うときは自動運転も選択肢になります。

暑い日は冷房

室温が高く、部屋をしっかり冷やしたい日は冷房を使います。冷房は室内の熱を外へ逃がし、室温を下げるための運転モードです。

冷房を使うときは、設定温度を極端に下げすぎず、風量は自動にしておくと効率的です。環境省が示すクールビズの28℃は「室温」の目安であり、エアコンの設定温度そのものではありません。

参考環境省「クールビズ28℃の真実」

湿度が高い日は除湿

気温はそれほど高くないのに蒸し暑い日は、除湿が向いている場合があります。湿度を下げることで、同じ室温でも体感温度が下がりやすくなります。

ただし、除湿と冷房の電気代は、使用環境・設定温度・設定湿度・機種によって異なります。温度を下げたい場合は冷房、湿度を下げたい場合は除湿というように、目的に合わせて使い分けることが大切です。

迷う場合は自動運転も選択肢

室温や湿度に合わせた運転モード選びが難しい場合は、自動運転も選択肢になります。自動運転では、エアコンが室内外の温度を見ながら運転モードや設定温度を決めます。

ただし、夏に明確に部屋を冷やしたい場合は、冷房モードを選んだうえで風量自動にする方が分かりやすいです。機種によって自動運転の制御が異なるため、取扱説明書も確認しておくと判断しやすくなります。

エアコンの自動運転・風量自動で電気代を抑えるコツ

エアコンの電気代を抑える5つのコツをまとめた図

エアコンの電気代を抑えるには、風量自動にするだけでなく、設定温度やフィルター掃除、空気の循環も意識することが大切です。

エアコンの電気代を抑えるコツ
  1. 設定温度を極端に下げすぎない
  2. フィルターを定期的に掃除する
  3. サーキュレーターで空気を循環させる
  4. 短時間の外出ならつけっぱなしも検討する
  5. 電力会社や料金プランを見直す

設定温度を極端に下げすぎない

冷房の設定温度を必要以上に下げると、室温との差が大きくなり、エアコンに負荷がかかります。暑いからといって設定温度を一気に下げるより、風量自動で効率よく冷やす方が電気代を抑えやすくなります。

体調や室内環境に合わせながら、無理のない範囲で設定温度を調整してください。日差しが強い部屋や人数が多い部屋では、カーテンや扇風機も併用すると体感温度を下げやすくなります。

フィルターを定期的に掃除する

フィルターが汚れていると空気の流れが悪くなり、エアコンの効率が落ちます。冷えにくくなるだけでなく、余分な電力を使う原因にもなります。

資源エネルギー庁では、フィルターを月に1回または2回清掃することを省エネ行動として紹介しています。エアコンをよく使う時期は、定期的に汚れを確認しておくと効率低下を防ぎやすくなります。

参考資源エネルギー庁「空調|無理のない省エネ節約」

サーキュレーターで空気を循環させる

冷たい空気は下にたまりやすく、部屋の中に温度ムラができることがあります。サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させると、部屋全体が冷えやすくなります。

冷房時は、サーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、冷気を部屋全体に送るようにすると効率的です。体に風を直接当てすぎないように調整すると、冷えすぎも防ぎやすくなります。

扇風機やサーキュレーターを併用した場合の電気代は、エアコンと扇風機・サーキュレーター併用時の電気代で詳しく解説しています。

短時間の外出ならつけっぱなしも検討する

エアコンは起動直後に多くの電力を使います。そのため、短時間の外出であれば、こまめに切るよりもつけっぱなしの方が電気代を抑えられる場合があります。

ただし、どちらが安いかは外気温、部屋の断熱性、外出時間、設定温度によって変わります。30分程度の外出ならつけっぱなしも検討し、数時間以上の外出なら停止するなど、状況に合わせて判断してください。

つけっぱなしにした場合の1日・1カ月の電気代を詳しく知りたい方は、エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代も確認しておくと判断しやすくなります。

電気代が高い場合は電力会社・料金プランも比較

エアコンの使い方を見直しても電気代が下がりにくい場合は、次のような原因が考えられます。

  • 契約している電気料金単価が高い
  • 昼間や夜間など、電気を使う時間帯に偏りがある
  • 家族人数や在宅時間が増えて使用量が多くなっている
  • 古い料金プランのまま見直していない

エアコン以外の家電も含めて電気代が高いと感じる場合は、契約している電力会社や料金プランが生活スタイルに合っているか確認してみましょう。

使い方の工夫とあわせて料金プランも確認すると、電気代を見直せる可能性があります。

電力会社は、住んでいるエリアや電気の使用量、使う時間帯によって合うプランが変わります。特定の電力会社だけを見るのではなく、複数の料金プランを比較してから選ぶことが大切です。

電力会社を比較して見直したい方は、安い電力会社比較も確認しておくと、エリアや使い方に合うプランを選びやすくなります。

エアコンの自動運転に関するよくある質問

エアコンの自動運転や冷房、風量自動に関して、よくある疑問にQ&A形式で回答します。

Q

自動運転は何度に設定される?

A

自動運転の設定温度は、メーカーや機種によって異なります。エアコンが室内外の温度を見て、運転モードや設定温度を自動で決める仕組みです。

機種によっては「適温」「標準」などと表示され、具体的な温度を細かく指定できない場合もあります。詳しくは取扱説明書を確認してください。

Q

冷房と自動はどっちが涼しい?

A

部屋を確実に冷やしたい場合は、冷房モードを選ぶ方が分かりやすいです。自動運転は、室温や外気温を見て運転モードを判断するため、機種によって動き方が変わります。

夏の暑い日に室温を下げたいときは、冷房モードにして風量を自動にする使い方が基本です。

Q

風量自動と弱はどっちが節電になる?

A

冷房時は、風量自動の方が節電につながりやすいです。ダイキンの実験でも、風量自動は風量弱より消費電力量が約3割少ない結果でした。

風量弱は冷えるまでに時間がかかり、圧縮機の負荷が長く続くことがあります。電気代を抑えたい場合は、風量を自動にしておくのが基本です。

Q

つけっぱなしとこまめなオンオフはどっちが安い?

A

短時間の外出であれば、つけっぱなしの方が安くなる場合があります。エアコンは起動直後に多くの電力を使うため、短時間で何度もオンオフを繰り返すと効率が悪くなることがあります。

ただし、長時間外出する場合は停止した方がよいケースもあります。外出時間や外気温、部屋の断熱性に合わせて判断してください。

Q

除湿と冷房はどっちが安い?

A

除湿と冷房の電気代は、使用環境・設定温度・設定湿度・機種によって変わるため、どちらが必ず安いとは言えません。

温度を下げたいときは冷房、湿度を下げたいときは除湿というように、目的に合わせて使い分けることが大切です。除湿方式によっても電気代は異なるため、使用している機種の取扱説明書も確認してください。

まとめ

夏にエアコンの電気代を抑えたい場合は、基本的に「冷房モード+風量自動」を使うのが効果的です。

ダイキンの実験では、冷房時の風量自動は風量弱よりも消費電力量が約3割少ない結果でした。弱風に固定すると冷えるまで時間がかかり、かえって電気代が高くなる場合があります。

ただし、リモコンの「自動運転」と、冷房中の「風量自動」は意味が異なります。自動運転はエアコンが運転モードを判断する機能で、風量自動は冷房中の風の強さを調整する設定です。

設定温度を極端に下げすぎない、フィルターを掃除する、サーキュレーターを併用するなどの工夫も、電気代の節約につながります。それでも電気代が高い場合は、電力会社や料金プランの見直しも比較対象に入れてみましょう。