「ボトル交換が要らないウォーターサーバーって便利そう！」「定額制で使い放題ってお得かも！」そんな期待を抱いて浄水型ウォーターサーバーの契約を検討する方は少なくありません。
確かに、浄水型には魅力的なメリットがたくさんありますが、実際に使い始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔する声があるのも事実です。
浄水型ウォーターサーバーには、水の味や災害時の使えなさ、設置場所の制約、想定以上のメンテナンスコストなど、契約前に知っておくべきデメリットがいくつも存在します。
この記事では、浄水型ウォーターサーバーの8つの主なデメリットを徹底解説し、後悔しないための選び方や、あなたのライフスタイルに本当に合っているのかを判断するための情報をお届けします。
宅配型やペットボトルとの比較も交えながら、納得できる選択をするためのヒントを見つけてください。
目次
浄水型ウォーターサーバーとは？まずは仕組みと種類を整理
浄水型ウォーターサーバーについて正しく理解するためには、その仕組みと種類をしっかりと押さえておく必要があります。
デメリットを把握する前に、まずは「浄水型とは何か」という前提を整理しましょう。
浄水型ウォーターサーバーは、天然水を宅配してもらう従来型とは根本的に異なる仕組みで動いており、水道水をベースにしている点、フィルターでろ過して使う点が最大の特徴です。
ここでは、浄水型の基本的な定義から、水道直結型とタンク給水型の違い、そして宅配型との比較まで、検討する際に必要な基礎知識を解説していきます。
浄水型ウォーターサーバーとは「水道水をフィルターで浄水して使うサーバー」のこと
浄水型ウォーターサーバーとは、文字通り水道水を本体に搭載された浄水フィルターでろ過し、冷水や温水として利用できるタイプのウォーターサーバーを指します。
従来の宅配型ウォーターサーバーが天然水やRO水といった専用ボトルを使うのに対し、浄水型は自宅の水道水をそのまま利用できる点が最大の違いです。
水道水に含まれる残留塩素やカルキ臭、トリハロメタンなどの不純物を高性能フィルターで除去することで、安全でおいしい水を提供します。
冷水と温水がすぐに使えるため、赤ちゃんのミルク作りやコーヒー、お茶の準備も手軽にできるのが特徴です。
ボトルの注文や受け取り、保管といった手間が一切不要で、定額制で使い放題という料金体系が多くの家庭に支持されています。
ただし、あくまでも「水道水がベース」である点は忘れてはいけません。
水道直結型とタンク給水型の違い
浄水型ウォーターサーバーには、大きく分けて「水道直結型」と「タンク給水型」の2種類があります。
水道直結型は、キッチンなどの水道管に専用の分岐水栓を取り付け、サーバー本体と配管でつなぐタイプです。
この方式では、水道から自動的にサーバーに給水されるため、ユーザーが水を補充する手間は一切ありません。
常に水が供給される安心感がある一方で、設置時には簡易的な配管工事が必要になります。
また、水道管の近くにしか設置できないため、レイアウトの自由度が制限される点がデメリットです。
タンク給水型は、サーバー本体の上部や内部に設けられたタンクに、ユーザー自身が水道水を手動で注いで使用するタイプです。
工事が不要で、コンセントさえあればどこにでも設置できるため、賃貸住宅や引っ越しが多い方にも向いています。
ただし、毎日のようにタンクへ水を補充する手間が発生します。
家族が多い家庭や水を大量に使う場合は、1日に何度も給水が必要になることもあるため、ズボラな性格の方や忙しい方には負担に感じられるかもしれません。
宅配型（ボトル型）ウォーターサーバーとのざっくり比較
| 比較項目 | 浄水型ウォーターサーバー | 宅配型ウォーターサーバー | ペットボトル |
|---|---|---|---|
| 水の種類 | 水道水をフィルターでろ過した浄水 （ミネラル成分は少ない） | 天然水・RO水 （ミネラル豊富・産地の違いを楽しめる） | 天然水・ミネラルウォーター （種類やブランドが豊富） |
| 料金体系 | 月額定額制 （3,000円前後） ※使い放題 | 従量課金制 （ボトル1本1,200〜2,000円） ※使った分だけ支払い | 都度購入 （2L：100〜200円程度） ※必要な時だけ買える |
| 月額コスト目安 （4人家族・50L使用） | 約3,000〜3,500円 （定額＋電気代） | 約6,000〜8,000円 （ボトル代＋サーバー代） | 約2,500〜5,000円 （購入費のみ） |
| 備蓄性 | × 断水時は使用不可 備蓄水にならない | ◎ 未開封ボトルは長期保存可能 災害時の備蓄水として活用できる | ◎ 未開封なら数年保存可能 備蓄水として最適 |
| ボトルの有無 | なし ボトル交換・受け取り不要 ゴミも出ない | あり 重たいボトル交換が必要 空ボトルの保管・返却が発生 | あり 購入時に持ち帰る必要 大量のペットボトルゴミが出る |
浄水型と宅配型のウォーターサーバーは、提供される水の種類や料金体系、使い勝手において大きな違いがあります。
宅配型は、天然水やRO水といった専用ボトルを定期的に自宅まで配送してもらい、それをサーバーにセットして使用します。
宅配型は、水そのものにこだわりがあり、ミネラル成分や産地の違いを楽しみたい方に向いています。
また、未開封のボトルは長期保存が可能なため、災害時の備蓄水としても機能する点が大きなメリットです。
料金は使った分だけ支払う従量課金制が一般的で、水の消費量が少ない一人暮らしや外食が多い家庭では比較的低コストに抑えられます。
一方、浄水型は水道水を使用するため、水の料金は水道代のみ。
サーバー本体のレンタル料金だけの定額制が主流で、どれだけ使っても料金が変わらない使い放題が魅力です。
ただし、水道水ベースのため、天然水のようなミネラル感や風味は期待できません。
また、ボトルがないということは備蓄性がないということでもあり、災害時や断水時には使えなくなるリスクがあります。
ペットボトルの水と比較した場合、浄水型は毎回買いに行く手間やゴミの処理から解放される点では便利ですが、初期費用やサーバーの設置スペースが必要になる点では負担があります。
それぞれの特性を理解し、自分の優先順位に合った選択をすることが重要です。
浄水型ウォーターサーバーの主なデメリット8つ
ここからは、浄水型ウォーターサーバーを実際に使ってみて感じることが多いデメリットを8つ、具体的に解説していきます。
どんなに便利な製品でも、必ず裏側には注意すべき点が存在します。
浄水型も例外ではありません。
契約前にこれらのデメリットをしっかり理解しておくことで、「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができます。
それぞれのデメリットがどのような状況で問題になるのか、どんな人に影響が大きいのかを確認しながら読み進めてください。
水の味・ミネラルは天然水には及ばない
浄水型ウォーターサーバーの水は、あくまでも水道水をフィルターでろ過したものです。
そのため、天然水のように自然由来のミネラルが豊富に含まれているわけではありません。
天然水特有のまろやかさや、採水地ごとの風味の違いを楽しむことはできません。
フィルターは残留塩素やトリハロメタン、カビ臭などを除去してくれますが、水道水のベースとなる味わいまで劇的に変えることは難しいのです。
特に、普段から天然水やミネラルウォーターを愛飲している方にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
赤ちゃんのミルク作りや料理に使う分には十分な品質ですが、「水そのものの味を楽しみたい」「おいしい水を飲むこと自体が目的」という方には、浄水型よりも宅配型の天然水ウォーターサーバーの方が適しています。
味覚に敏感な方や、水にこだわりがある方は、契約前に試飲できる機会があれば積極的に利用し、自分の舌に合うかどうかを確認しておくことをおすすめします。
災害時・断水時には使えず備蓄水にならない
浄水型ウォーターサーバー最大のデメリットと言っても過言ではないのが、災害時や断水時に使えなくなるという点です。
水道直結型はもちろんのこと、タンク給水型であっても、水道が止まってしまえば補充する水がなくなります。
宅配型ウォーターサーバーの場合、未開封のボトルをストックしておくことで、災害時の備蓄水として活用できます。
政府は一人当たり1日3リットル、最低3日分の備蓄を推奨していますが、浄水型だけではこれをカバーできません。
浄水型を導入する場合は、別途ペットボトルの水を備蓄しておくなど、災害対策を併せて考える必要があります。
「ウォーターサーバーがあれば安心」と考えていると、いざという時に困ることになりかねません。
防災意識が高い方や、小さなお子さんがいる家庭では、この点は特に注意が必要です。
フィルター交換など定期メンテナンスが必須でコストもかかる
浄水型ウォーターサーバーの心臓部とも言えるのが浄水フィルターですが、このフィルターは消耗品であり、定期的な交換が必須です。
多くのメーカーでは3ヶ月から1年に1回のペースで交換が必要とされています。
フィルター交換を怠ると、ろ過性能が低下し、水の安全性や味が損なわれるだけでなく、雑菌やカビが繁殖するリスクも高まります。
メーカーによってはフィルター代が月額料金に含まれている場合もありますが、別途料金が発生するケースもあります。
1回あたりの交換費用は3,000円から8,000円程度で、年間に換算すると12,000円から32,000円になることもあります。
また、フィルター交換だけでなく、給水タンクや本体の定期的な清掃も衛生面を保つためには欠かせません。
サーバー内部の洗浄は数ヶ月に一度、メーカーのメンテナンスサービスを利用する必要がある場合もあり、その都度費用や手間がかかります。
こうしたメンテナンスコストや手間を事前に把握せずに契約してしまうと、「思ったより維持費がかかる」と後悔することになります。
水道直結型は設置工事が必要で置き場所も制限される
水道直結型ウォーターサーバーは、水道管に分岐水栓を取り付ける簡易的な工事が必要になります。
工事自体は30分から1時間程度で完了することが多いものの、賃貸物件の場合は大家さんや管理会社の許可が必要になるケースがほとんどです。
また、工事費用が初期費用として別途発生する場合もあり、数千円から1万円程度の負担が生じます。
設置場所についても、水道管の近くでなければならないという制約があり、キッチン周辺に限定されることが多く、リビングや寝室など好きな場所に置くことはできません。
さらに、配管用のホースやチューブが目立つことがあり、見た目が気になる方もいます。
引っ越しの際には撤去工事が必要で、再度別の場所で設置する場合には再工事費用もかかります。
ライフスタイルの変化が多い若い世代や、転勤が多い方にとっては、この点が大きなネックになる可能性があります。
タンク給水型は自分で水を入れる手間が毎日発生
タンク給水型は工事不要で手軽に始められる反面、毎日のように自分でタンクに水道水を補充する手間が発生します。
家族が多い家庭や、料理や飲み物で水を頻繁に使う家庭では、1日に数回タンクへ給水する必要があります。
タンク容量は機種によって異なりますが、多くは4リットルから7リットル程度です。
夏場や運動後など水を多く飲む時期には、あっという間にタンクが空になります。
ペットボトルを買ってくる手間に比べれば楽ではありますが、それでも毎日の習慣としてこまめに給水を続けるのは、意外と面倒に感じる方も少なくありません。
特に、忙しい朝や疲れて帰宅した夜に「また水を入れなきゃ」と思うとストレスになることもあります。
ズボラな性格の方や、日々の小さなタスクが苦手な方は、タンク給水型よりも水道直結型の方が向いているかもしれません。
電気代はゼロではなく24時間稼働でじわじわかかる
浄水型ウォーターサーバーは冷水と温水を常時使える状態に保つため、24時間電源を入れっぱなしにする必要があります。
そのため、電気代が毎月かかることを忘れてはいけません。
機種やメーカーにもよりますが、一般的な浄水型ウォーターサーバーの電気代は月300円から800円程度と言われています。
エコモードや省エネ機能が搭載されている機種を選べば、ある程度電気代を抑えることは可能ですが、完全にゼロにすることはできません。
年間で考えると3,600円から9,600円の電気代が発生する計算になります。
サーバーのレンタル料金だけに目が行きがちですが、電気代も含めたトータルコストで比較しないと、実際のランニングコストを見誤ることになります。
特に、電気代の値上げが続く昨今では、この部分も無視できない要素です。
直結型の場合は引っ越しやレイアウト変更がしにくい
先述した通り、水道直結型ウォーターサーバーは、置き場所が制限されてしまいます。
そのため、一度設置すると簡単に場所を変えることができません。
配管で水道管とつながっているため、模様替えや家具のレイアウト変更をする際にも制約が生じます。
引っ越しの際には、撤去工事が必要になり、その費用が数千円から1万円程度かかることもあり、さらに引っ越し先で再度設置する場合には、再工事費用も発生します。
契約期間中に解約すると違約金が発生するケースも多く、ライフスタイルの変化に柔軟に対応しづらい点がデメリットです。
転勤が多い方や、将来的に引っ越しの予定がある方は、タンク給水型や宅配型を選んだ方が無難かもしれません。
水道水の水質次第では味や安心感に不安を感じる人も
日本の水道水は世界的に見ても安全性が高いとされていますが、地域によって水質には差があります。
カルキ臭が強い地域、古い配管が原因で鉄サビ臭がする地域、硬度が高い地域など、水道水の状態は住んでいる場所によってさまざまです。
浄水フィルターである程度の不純物は除去できますが、完全にカルキ臭や雑味が消えるわけではありません。
特に、水道水に対して心理的な抵抗感がある方や、以前に水道水で嫌な経験をした方は、浄水型では満足できない可能性があります。
また、フィルターの性能や交換時期を守らないと、十分な浄水効果が得られず、安心して飲めないと感じることもあります。
水道水の品質に不安がある方は、まず自宅の水道水を一度試飲してみたり、地域の水質情報を確認したりしてから、浄水型を選ぶかどうかを判断するのが賢明です。
浄水型ウォーターサーバーで後悔しやすい典型パターン
ここからは、実際に浄水型ウォーターサーバーを契約した人が「失敗した」「後悔している」と感じる典型的なパターンをご紹介します。
デメリットを知っているだけでは不十分で、それがどのような状況で問題になるのかを具体的にイメージすることが大切です。
自分が同じような状況に当てはまらないかをチェックしながら読んでみてください。
もし当てはまる場合は、浄水型以外の選択肢も検討する価値があります。
一人暮らし・外食が多く、水をほとんど飲まないのに契約したケース
浄水型ウォーターサーバーは定額制で使い放題という料金体系が魅力ですが、これは裏を返せば「たくさん使わないと元が取れない」ということでもあります。
一人暮らしで外食やコンビニ食が多い方、仕事が忙しくて家でほとんど水を飲まない方にとっては、月額3,000円前後のレンタル料金が割高に感じられることがあります。
ペットボトルの水なら、2リットル100円程度で購入できるため、月に数本しか飲まないのであれば、ペットボトルの方が圧倒的にコスパが良いのです。
また、サーバー本体が場所を取るため、狭いワンルームでは邪魔になることも。
使用頻度が低い場合は、浄水型よりもコンパクトな浄水ポットや、必要な時だけペットボトルを買う方が現実的といえるでしょう。
契約前に、自分が1ヶ月にどれくらいの水を消費するのかをしっかり見積もることが重要です。
災害用の備蓄水まで兼ねたい人が浄水型だけにしたケース
「ウォーターサーバーがあれば災害時も安心」と考えて浄水型を契約したものの、いざ地震や台風で断水が発生した際に「使えない」という事実に直面して後悔するパターンです。
浄水型は水道水をベースにしているため、断水してしまえば給水ができなくなります。
特に、小さな子どもや高齢者がいる家庭では、飲料水の確保は生命に関わる問題です。
浄水型を選ぶ場合でも、必ず別途ペットボトルの水を備蓄しておくか、宅配型ウォーターサーバーと併用するなどの対策が必要です。
そのため、災害対策を重視するなら、宅配型ウォーターサーバーの方が適しています。
未開封のボトルは長期保存が可能で、災害時にも使えるため、備蓄水としての役割を果たしてくれます。
天然水の味・ミネラル感を期待していたのに思ったほどではないと感じたケース
「ウォーターサーバーなら、おいしい水が飲める」というイメージだけで浄水型を契約し、実際に飲んでみたら「あれ、思ったほどおいしくない」と感じて後悔するパターンもあります。
浄水型はあくまでも水道水をフィルターで浄化したものであり、天然水のようなミネラル感や産地ごとの風味の違いはありません。
特に、普段から天然水やミネラルウォーターを飲んでいる方にとっては、物足りなさを感じることが多いでしょう。
水の味にこだわりがあるなら、浄水型よりも天然水を扱う宅配型ウォーターサーバーを選ぶべきです。
契約前に試飲できる機会があれば、必ず自分の舌で確認しておくことをおすすめします。
賃貸で配管工事NG・キッチンが狭く、設置・撤去でトラブルになったケース
賃貸住宅に住んでいる方で、水道直結型を選んでしまい、後になって大家さんや管理会社から工事を止められたり、退去時に原状回復費用を請求されたりするトラブルも少なくありません。
分岐水栓の取り付けは比較的簡単な工事ですが、賃貸物件では配管に手を加えることを禁止している場合があります。
事前に確認せずに契約してしまうと、設置できないまま解約金を払う羽目になることも。
また、キッチンが狭い場合、サーバー本体とホースが邪魔になり、調理スペースを圧迫してしまうこともあります。
それでも選ばれる浄水型ウォーターサーバーのメリット
ここまで浄水型ウォーターサーバーのデメリットを中心にお伝えしてきましたが、もちろん浄水型にも多くのメリットがあります。
デメリットばかりに目を向けていると、浄水型の良さを見落としてしまいます。
実際に、多くの家庭で浄水型が選ばれているのには理由があります。
ここでは、浄水型ならではの強みを簡潔に整理し、メリットとデメリットの両方を理解した上で、自分に合った選択ができるようにしましょう。
定額制で使うほどお得になりやすい料金体系
浄水型ウォーターサーバーの最大のメリットは、定額制で使い放題という料金体系で、月額3,000円前後のレンタル料金を支払えば、どれだけ水を使っても追加料金が発生しません。
宅配型ウォーターサーバーの場合、ボトル1本あたり1,200円から2,000円程度の費用がかかるため、家族が多い家庭や水を大量に消費する家庭では、月に数千円から1万円以上の費用がかかることもあります。
一方、浄水型なら、料理にも飲み水にも気兼ねなく使えるため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
特に、子育て中の家庭やペットを飼っている家庭、在宅ワークで家にいる時間が長い方にとっては、浄水型の定額制は大きな魅力です。
ボトル交換・受け取り・保管スペースが不要で家事負担が減る
宅配型ウォーターサーバーの場合、重たいボトルの交換作業が必要です。
ボトル1本あたり7リットルから12リットルの重さがあり、女性や高齢者にとっては大きな負担になります。
また、ボトルの配送を受け取る手間や、ストック用のボトルを保管するスペースも必要ですが、浄水型なら、こうした手間がすべて不要になります。
水道直結型であれば給水も自動、タンク給水型でも軽い容器で水を注ぐだけなので、力仕事は一切ありません。
家事の負担を減らしたい方や、シンプルな暮らしを求める方にとって、浄水型は理想的な選択肢です。
ペットボトルやボトルゴミが減り、環境負荷も小さい
浄水型ウォーターサーバーは、ペットボトルやボトルゴミが一切発生しないため、環境にも優しいという点も見逃せません。
宅配型ウォーターサーバーや市販のペットボトルを利用していると、毎月大量のプラスチックゴミが出ます。
これを分別してゴミ出しする手間も意外と面倒ですが、浄水型ならゴミがほとんど出ないため、エコ意識が高い方や、ゴミ出しの手間を減らしたい方に適しています。
SDGsや環境問題への関心が高まる中、浄水型ウォーターサーバーは持続可能なライフスタイルを支える選択肢の一つと言えるでしょう。
冷水・温水・常温水がワンタッチで使え、家事・子育てがラクに
浄水型ウォーターサーバーは、冷水と温水がいつでもワンタッチで使える点も大きな魅力です。
赤ちゃんのミルク作りでは、70度以上のお湯が必要ですが、ウォーターサーバーならすぐに適温のお湯が出せます。
朝のコーヒーやお茶の準備も、いちいちお湯を沸かす必要がなく、時短につながります。
また、常温水が使える機種も多く、薬を飲む時や料理に使う時にも便利です。
忙しい朝や深夜の授乳タイムなど、日常のちょっとした場面で大いに役立ちます。
子育て中の家庭や、共働きで忙しい家庭にとって、浄水型ウォーターサーバーは強い味方になるでしょう。
浄水型・宅配型・ペットボトルを徹底比較！あなたに合うのはどれ？
浄水型ウォーターサーバーを検討する際、多くの方が迷うのが「宅配型とどっちがいいの？」「ペットボトルで十分じゃないの？」という点です。
ここでは、浄水型・宅配型・ペットボトルの3つを複数の視点から徹底的に比較し、あなたのライフスタイルや家族構成、優先順位に最も合った選択肢を見つけるお手伝いをします。
単純に「どれが一番良い」という答えはありません。大切なのは、自分にとって何が最適かを見極めることです。
ランニングコスト比較（世帯人数別の目安）
| 比較項目 | 浄水型ウォーターサーバー | 宅配型ウォーターサーバー | ペットボトル |
|---|---|---|---|
| 月額費用 （一人暮らし・10L） | 約3,000〜3,500円 ※使用量に関わらず定額 | 約2,000〜3,000円 ※ボトル1〜2本分 | 約500〜1,000円 ※最もコスパ良い |
| 月額費用 （夫婦2人・24L） | 約3,000〜3,500円 ※使用量に関わらず定額 | 約3,800〜4,500円 ※ボトル2〜3本分 | 約1,200〜2,400円 |
| 月額費用 （4人家族・50L） | 約3,000〜3,500円 ※最もコスパ良い | 約6,000〜8,000円 ※ボトル4〜5本分 | 約2,500〜5,000円 |
ランニングコストは、家庭の人数や水の使用量によって大きく変わります。
一人暮らしの場合、月に10リットル程度しか飲まないのであれば、ペットボトルが最もコスパが良いでしょう。
2リットルのペットボトルを5本買ったとしても500円程度で済みます。
一方、浄水型は月額3,000円程度かかるため、使用量が少ないと割高に感じられます。
夫婦2人暮らしで月に24リットル程度使う場合は、宅配型と浄水型がほぼ同等のコストになります。
宅配型は月3,800円前後、浄水型は月3,000円前後が目安です。
しかし、家族4人以上で月に50リットル以上使うようになると、浄水型の定額制が圧倒的に有利になります。
宅配型では追加ボトルの購入で月6,000円から8,000円かかることも珍しくありません。
手間・置き場所・ボトルゴミの量を比較
| 比較項目 | 浄水型ウォーターサーバー | 宅配型ウォーターサーバー | ペットボトル |
|---|---|---|---|
| ボトル交換の手間 | ◎ ボトル交換不要 ※タンク給水型は給水必要 | × 重たいボトル（7〜12L） 交換が大変 | △ 購入時の持ち帰りが必要 2Lなら比較的軽い |
| 設置スペース | △ サーバー設置スペース必要 （幅30×奥40cm程度） | × サーバー＋ボトルストック スペースが最も必要 | ◎ サーバー不要 保管スペースのみ |
| ゴミの量 | ◎ ほぼゴミなし フィルターのみ | ◯ 空ボトル（回収式が多い） 段ボールゴミ | × 大量のペットボトルゴミ 分別・ゴミ出しが面倒 |
手間の面では、浄水型の水道直結型が最も楽で、給水の必要がなく、ボトル交換もゴミ出しもありません。
タンク給水型は毎日の給水が必要ですが、宅配型のようなボトル交換の力仕事はありません。
宅配型は重たいボトルの交換と、空ボトルの保管・返却の手間が発生します。
ペットボトルは購入時に持ち帰る手間と、飲み終わった後のゴミ出しが必要です。
置き場所については、浄水型と宅配型はサーバー本体を設置するスペースが必要で、幅30センチ、奥行き40センチ程度の場所を確保しなければなりません。
ペットボトルはストック分の保管場所が必要ですが、サーバーほどのスペースは取りません。
ボトルゴミに関しては、浄水型がほぼゼロ、宅配型は空ボトルが出ますがメーカーが回収してくれる場合が多く、ペットボトルは毎週大量のゴミが出ます。
手間を最小限にしたいなら浄水型、特に水道直結型が最適です。
味・ミネラル・安全性・備蓄性を比較
| 比較項目 | 浄水型ウォーターサーバー | 宅配型ウォーターサーバー | ペットボトル |
|---|---|---|---|
| 水の味・品質 | △ 浄水された水道水 ミネラル感は少ない カルキ臭は除去 | ◎ 天然水・RO水 ミネラル豊富 産地の風味を楽しめる | ◎ 天然水・ミネラルウォーター ブランドや産地を選べる |
| 災害時・備蓄性 | × 断水時は使用不可 別途備蓄水が必要 | ◎ 未開封ボトルは長期保存可 備蓄水として活用できる | ◎ 未開封なら数年保存可能 備蓄水として最適 |
味とミネラルに関しては、宅配型の天然水が圧倒的に優れています。
採水地ごとの風味やミネラル成分を楽しむことができ、水そのものの味を重視する方には最適です。
浄水型は水道水ベースのため、ミネラル感は期待できませんが、カルキ臭などは除去されるため、普通においしく飲める水準です。
ペットボトルはミネラルウォーターを選べば、天然水と同等の味を楽しめます。
安全性については、どれも日本の基準を満たしており問題ありませんが、浄水型はフィルター交換を怠ると安全性が低下するリスクがあります。
宅配型とペットボトルは密封されているため、未開封であれば長期保存が可能なので、備蓄性では宅配型とペットボトルが圧倒的に有利です。
未開封ボトルは数ヶ月から1年以上保存でき、災害時の備蓄水として機能します。
浄水型は断水時には使えないため、備蓄性はゼロです。
水の味や災害対策を重視するなら宅配型やペットボトル、日常の利便性とコスパを重視するなら浄水型が向いています。
一人暮らし／共働き夫婦／子育て家庭／オフィスなどパターン別のおすすめ
| 比較項目 | 浄水型ウォーターサーバー | 宅配型ウォーターサーバー | ペットボトル |
|---|---|---|---|
| 向いている人 | ・家族が多く水を大量に使う ・ボトル交換を減らしたい ・定額制でコスパ重視 ・環境意識が高い ・在宅時間が長い | ・水の味にこだわりたい ・災害時の備蓄も兼ねたい ・水の消費量が中程度 ・天然水を楽しみたい | ・一人暮らし ・外食が多い ・水をあまり飲まない ・初期費用をかけたくない ・設置スペースがない |
一人暮らしでは、使用量が少ないためペットボトルが最もコスパが良いでしょう。スペースも取らず、必要な時だけ買えば済みます。
共働き夫婦の場合は、手間を減らせる浄水型のタンク給水型がおすすめです。ボトル交換や配送の受け取りが不要で、忙しい日々でもストレスなく使えます。
子育て家庭では、赤ちゃんのミルク作りに便利な浄水型か、備蓄水としても使える宅配型が向いています。
災害対策も考えるなら、宅配型と浄水型を併用する選択肢もあります。
オフィスや事業所では、大人数が使うため浄水型の定額制が圧倒的にコスパが良いでしょう。宅配型だとボトルの消費が激しく、コストが膨らみます。
このように、ライフスタイルや家族構成によって最適な選択肢は異なりますので、自分の状況に当てはめて、最も合理的な選択をしましょう。
デメリットを最小限にする浄水型ウォーターサーバーの選び方
浄水型ウォーターサーバーのデメリットは確かに存在しますが、選び方次第でそれらを最小限に抑えることが可能です。
契約前にチェックすべきポイントを押さえておけば、後悔するリスクをぐっと減らすことができます。
ここでは、浄水型ウォーターサーバーを選ぶ際に必ず確認しておきたい5つのポイントを解説します。
これらのポイントを意識するだけで、あなたに最適な機種を見つけやすくなるはずです。
フィルター性能・交換頻度・交換費用を必ずチェック
浄水型ウォーターサーバーの心臓部はフィルターです。
フィルターの性能が低いと、水道水の不純物を十分に除去できず、味や安全性に不安が残りますので、フィルターが除去できる物質の種類を確認しましょう。
残留塩素やカルキ臭だけでなく、トリハロメタン、鉛、カビ臭、農薬など、できるだけ多くの不純物を除去できる高性能フィルターを搭載した機種を選ぶことが重要です。
交換頻度も重要なポイントです。3ヶ月ごとに交換が必要な機種もあれば、1年に1回で済む機種もあります。
交換頻度が短いほど手間がかかりますが、フィルターの性能を保ちやすいというメリットもあります。
また、交換費用が月額料金に含まれているのか、別途費用が発生するのかも必ず確認してください。フィルター代が別途請求される場合、想定外のランニングコストになることがあります。
契約前に、年間のトータルコストを計算しておくことが大切です。
水道直結／タンク給水どちらが自宅の間取りに合うか確認
水道直結型とタンク給水型、どちらを選ぶかは住環境によって決まります。
キッチン周りに十分なスペースがあり、配管工事が可能であれば、水道直結型が便利で、給水の手間がなく常に水が供給される安心感があります。
ただし、賃貸物件の場合は事前に管理会社や大家さんの許可を得る必要があります。
一方、リビングや寝室など好きな場所に置きたい場合や、引っ越しの予定がある場合、賃貸で工事ができない場合は、タンク給水型を選びましょう。
工事不要でコンセントさえあればどこにでも設置できるため、柔軟性が高いです。
自分の住環境とライフスタイルに合った方を選ぶことで、デメリットを減らすことができます。
世帯人数・使用シーンから「定額制が本当にお得になるか」を試算
浄水型ウォーターサーバーの定額制は、使えば使うほどお得になる仕組みです。
しかし、使用量が少ない場合は、ペットボトルや宅配型の方が安く済むこともあるため、契約前に家族が1ヶ月にどれくらいの水を消費するのかを試算してみましょう。
飲料水だけでなく、料理や赤ちゃんのミルク作り、ペットの飲み水など、どのような場面で使うのかをリストアップすると、より正確な見積もりができます。
一般的には、家族4人以上で月に50リットル以上使う場合は、浄水型の定額制がお得になります。
逆に、一人暮らしや外食が多い家庭では、ペットボトルの方がコスパが良いでしょう。
自分の家庭の使用量を把握してから契約することで、コスト面での後悔を防げます。
契約期間・解約金・工事費・撤去費など縛り条件を事前に確認
ウォーターサーバーの契約には、最低利用期間が設定されていることがほとんどです。
多くの場合、1年から3年の契約期間があり、途中で解約すると違約金が発生します。
違約金は1万円から2万円程度が相場ですが、契約期間が長いほど高額になる傾向があります。
また、水道直結型の場合、設置時の工事費や撤去費が別途かかることもありますので、契約前に、初期費用、月額料金、解約金、工事費などをすべて確認し、トータルコストを把握しておきましょう。
特に、引っ越しやライフスタイルの変化が予想される場合は、契約期間が短い機種や、解約金が安い機種を選ぶと安心です。
赤ちゃん・妊娠中でも使えるか、安全性・衛生管理の体制を見る
赤ちゃんや妊娠中の方がいる家庭では、水の安全性は最優先事項です。
浄水型ウォーターサーバーを選ぶ際には、フィルターの除去性能はもちろんのこと、サーバー内部の衛生管理体制も確認しましょう。
自動クリーニング機能やUV除菌機能が搭載されている機種を選ぶと、雑菌の繁殖を防ぐことができます。
また、メーカーが定期的にメンテナンスサービスを提供しているかどうかも重要なポイントです。
赤ちゃんのミルク作りに適した温度設定ができるか、チャイルドロック機能が付いているかなど、子育てに便利な機能が揃っているかもチェックしておきましょう。
安全性と衛生面をしっかり確認することで、安心して使い続けることができます。
浄水型ウォーターサーバーに関するよくある質問（FAQ）
ここでは、浄水型ウォーターサーバーを検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
契約前の疑問や不安を解消するために、ぜひ参考にしてください。
Q
浄水型ウォーターサーバーの水は本当に安全？
A
浄水型ウォーターサーバーの水は、高性能フィルターによって水道水中の残留塩素、トリハロメタン、カビ臭、鉛などの不純物を除去しているため、安全性は高いと言えます。
ただし、フィルターの性能や交換頻度を守ることが前提です。
フィルターを交換せずに使い続けると、ろ過性能が低下し、雑菌やカビが繁殖するリスクがあります。
メーカーの指定する交換時期を守り、定期的にタンクやサーバー内部を清掃することで、安全性を保つことができます。
赤ちゃんのミルク作りにも問題なく使えますが、心配な場合は一度煮沸してから使うなど、念のための対策を取ると安心でしょう。
Q
賃貸マンションでも水道直結型を設置できる？
A
水道直結型は水道管に分岐水栓を取り付ける工事が必要なため、賃貸物件では事前に大家さんや管理会社の許可を得る必要があります。
工事自体は配管に傷をつけない簡易的なものですが、賃貸契約によっては禁止されている場合もあります。
許可が得られない場合は、工事不要のタンク給水型を選びましょう。
タンク給水型ならコンセントさえあればどこにでも設置できるため、賃貸住宅でも安心して使えます。
Q
電気代は月いくらくらいかかる？節電のコツは？
A
浄水型ウォーターサーバーの電気代は、機種やメーカーによって異なりますが、一般的には月300円から800円程度が目安です。
エコモードや省エネ機能が搭載されている機種を選ぶことで、電気代を抑えることができます。
節電のコツとしては、不在時や就寝時にエコモードを活用する、直射日光の当たる場所や暖房器具の近くを避けて設置する、定期的に背面のホコリを掃除して放熱効率を保つなどが挙げられます。
完全に電源を切ってしまうと、再び冷水・温水を作るのに時間がかかり、かえって電気代が高くなることがあるため、基本的には24時間稼働させることが推奨されています。
Q
災害時の備蓄水はどうすればいい？
A
浄水型ウォーターサーバーは断水時には使えないため、災害時の備蓄水としては機能しません。
そのため、浄水型を利用している家庭でも、別途ペットボトルの水を備蓄しておくことが推奨されます。
政府は一人当たり1日3リットル、最低3日分の備蓄を推奨しているため、4人家族なら36リットル程度の水を常に確保しておくと安心でしょう。
未開封のペットボトルは数年間保存できるため、定期的に賞味期限を確認しながらローリングストックすると良いでしょう。
また、災害備蓄を重視するのであれば、宅配型ウォーターサーバーと併用する選択肢もあります。
Q
浄水型から宅配型に乗り換えたいときの注意点は？
A
浄水型ウォーターサーバーを解約して宅配型に乗り換える場合、まず契約期間と解約金を確認しましょう。
最低利用期間内に解約すると、1万円から2万円程度の違約金が発生することがあります。
また、水道直結型の場合は撤去工事費がかかることもあります。
乗り換え先の宅配型ウォーターサーバーを選ぶ際には、キャンペーンや乗り換えキャッシュバックを活用すると、費用負担を軽減できます。
解約手続きは余裕を持って行い、新しいサーバーの設置日程と調整することで、空白期間を作らずにスムーズに移行できます。
まとめ
浄水型ウォーターサーバーには、以下のようなデメリットがあることがわかりました。
- 水の味・ミネラルは天然水には及ばない
- 災害時・断水時には使えず備蓄水にならない
- フィルター交換など定期メンテナンスが必須でコストもかかる
- 水道直結型は設置工事が必要で置き場所も制限される
- タンク給水型は自分で水を入れる手間が毎日発生
- 電気代はゼロではなく24時間稼働でじわじわかかる
- 直結型の場合は引っ越しやレイアウト変更がしにくい
- 水道水の水質次第では味や安心感に不安を感じる人も
特に、一人暮らしで水をあまり飲まない方、天然水の味にこだわる方、災害時の備蓄水を重視する方、賃貸で工事ができない方には向いていません。
一方で、定額制で使い放題、ボトル交換不要、ゴミが減る、冷水・温水がワンタッチで使えるといったメリットもあります。
家族が多く水を大量に使う家庭、ボトル交換の手間を減らしたい方、コスパを重視する方、環境意識が高い方には大きな価値があるでしょう。
浄水型を選ぶ際には、自分の生活パターン、住環境、防災意識、水へのこだわり、家族構成を総合的に考慮することが重要です。
フィルター性能や交換頻度、契約期間や解約金もしっかり確認し、水道直結型とタンク給水型のどちらが自分に合っているかを見極めましょう。
メリットとデメリットの両方を理解した上で、自分にとって最適な選択をすることが、後悔しないための最も大切なポイントです。
